2014年2月24日月曜日

アイヒマンの気持ちになるですよ。

タイトルは、とあるソーシャルゲームに登場するキャラクターのセリフを改変したものです。ソーシャルゲームは息抜き程度の軽い気持ちでできるので、最近は友人たちと一緒にのんびり遊んでいます。ただこのゲームは「遊びじゃない」人たちがたくさんいて、軽い気持ちで始めて「遊びじゃなくなってしまう」人が続出することでも有名なので、個人的にはあまりオススメはしないです。節度を守って割りきって遊べる人じゃないと困った事態を引き起こすことにつながります。ちなみに私はこのキャラクターがそれなりに「お気に入り」です。

こんばんは、武藤です。

昨日はある場所で実用英語技能検定(通称:英検)の試験監督のアルバイトをしていました。
日当は内緒ですが多くもなく少なくもないほどほどの報酬がもらえるので、現在絶賛貧乏生活中の私にとっては貴重な収入源です。

ここだけの話、私は大学生活でほとんど「アルバイト」というものをしたことがありません。一応、某個別指導塾で時間講師として働いていた時期はありますが、およそ塾講師とは思えない労働と終わらない研修、給料もいつまでたっても支払われないなど、たくさんの問題に悩まされてすぐにやめてしまいました。そろそろ大学受験も終わりに近づき、来年度から大学生となる方も多いと思うので言わせてもらいますが、塾講師という職業ははっきり言って「儲かりません」。時給の額面の高さに惑わされないでください。
もう一度繰り返します。塾講師は「儲かりません」。間違っても学生のする仕事ではありません。もっと真っ当な環境で真っ当に稼げて真っ当な経験ができるアルバイトは星の数ほどあると思います。自らの大学生活の大半を仕事に捧げたいとお考えなら話は別ですが、少しでも大学で「学びたい」と思うのであればするべきではない職業だと思います。

それはさておき、試験監督の仕事ですが、今回はいつもと違う業務を任されました。いつもは試験会場で注意事項を説明したり不正行為が行われていないか監視する仕事をしますが、今回は受検生控室から試験会場までの誘導の担当でした。

大まかな業務は、面接室前で待機している受験生の数を確認、少なくなってきたら控室で待機している受検生を呼び、会場まで案内して適宜面接室に振り分けていくというもの。慣れてくるとわりと片手間ででき、「どこにどう受験生を振り分ければ効率的か/どう振り分ければ受検生の待ち時間が少なくなるか」を考えながら淡々と受検生を振り分けていくその姿は、不適切かもしれませんがまさしくアドルフ・アイヒマンのようでした。

アドルフ・アイヒマンといえば、アメリカの哲学者ハンナ・アーレントが「凡庸な悪」と表現したことでも有名な「小役人」の代表的存在ですね。「悪の権化」という言葉に代表されるように、人々は今まで悪人は絶大なカリスマ性をもった絶対的な存在だと考えていたのに、多くのユダヤ人を実質的に「殺した」アドルフ・アイヒマンという男の裁判を見ている限り、その法廷にいたのは、そのような「悪の権化」ではなくどこにでもいる「普通の役人」だった…、と言うのは有名な話ですね。

だからなんだと言うわけではないですが、そのとき私は「今の俺ってすごく『アイヒマン的』だなー」などと考えながら仕事をしていました。一緒に仕事をしていた某大学の学生さんも言っていましたが、おもしろいことに、仕事になれるとびっくりするほど「何も考えなくても良い」んですよ。試験会場と控室の間を往復するのでそれなりに動いたりしますが、だんだんこなれてくると本当にただの「受検生を誘導するマシーン」になれます。お世辞にも仕事ができるとは言いがたいこの私ですら、仕事中はずっと「終わってから何しようかなー」などと考える余裕があったほどです。

ちなみに、ハンナ・アーレントの思想に関しては仲正昌樹『今こそアーレントを読み直す』(講談社現代新書,2009年)が入門テキストになると思います。先のアイヒマン裁判の話などは政治的に非常にデリケートな問題だと思うのでこれ以上深入りすることは避けますが、この本は個人的には読みやすかったのでオススメです。私ももっと深く学んでみたいと考えているので、他にもっといい入門書などをご存知の方がいましたら是非ご教授くだされば幸いです。

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